予告、実行しようと思います。
でも長くなりそうだから確実に分割されるー☆
できれば分割したくないんですけどね・・・！

ちなみにタイトルの理由は某先生のアニメのED・・・←

ざあっ。

風がたわわに実った麦の穂を揺らす。
一面に広がる麦畑。
時刻は、夕暮れ。

夕焼けに照らされた、黄金色の麦の海――

「・・・ふふっ、――ってばすごく嬉しそう。」
「え？・・・あ、僕、笑ってた？」

彼らが居るのは、集落が見渡せる丘のようなところ。
電気なんてないこの集落では、夕暮れは仕事の終わりを告げるものだった。

「うん。・・・そうね、今年はこんなに豊作なんだもの。みんなも凄く嬉しそうだわ。」

今年の麦のできばえといったら、これまでなかったほどだ。
言葉に出さなくても、わかる。誰もが嬉しそうに笑顔をこぼす。

この集落を通りがかる人は誰もが彼らの貧しさに哀れみの目を向けるけれど、ここにはそれを不幸だなんて思う人は居ない。

「おーい！日が沈む前に戻って来いよー！」
『はーい！』

それに今日はそんな豊作の前祝いをするという。

日が沈んでから、焚き火を囲んで満天の星の下踊って食ってのお祭り騒ぎ。
豊作なものだから、倉庫の中の小麦を全て消費しようというのだ。・・・といっても元々そんなにはないのだが。
「さぁさぁ若いの！遠慮せずどんどん食いな！」
「え・・・いや、こ、こんなに食べられないって；」
「もう、若い男なんて――しか居ないんだから、たくさん食べてよ！」

そう。この集落で若いといえるのは・・・彼と、彼女だけ。


・・・ねえ。僕らは確かにこのとき、幸せを感じていたんだ。
そう。あの時も、赤く燃えていて・・・・


（続きます多分←